執拗に愛されて、愛して
 もう朝方6時前、陽が昇っているのにまだ愛を確かめ合う行為は終わらない。この男は今日だって仕事のはずなのに、もうずっと身体を重ね合わせている。


「まだ飛ぶなよ…っ…、煽ったんだから、大人なんだし、責任取って…。」


 そう言って私の首筋にキスを落としながら、腰を動かすのもやめない。今日は特に執拗で、激しいのに、それが嫌じゃなくてもう少ししか残ってない意識と力で、首の後ろに腕を回してくっつく。


「はっ…、本当、うぜー。可愛すぎて、全部ぶっ壊したいのに、無くなってほしくは無いな。」


 愛おしそうにそう言って私の頬に張り付いた髪をはがしている。もう、眠たいのに、寝かしてくれない。可愛いだとか、愛の甘い言葉はうんざりなのに。

 もう掠れ声しか出ない私を見て雅は「可愛い。」なんて言ってくる。

 いつになったら、私この男に勝てるんだろう。ていうか、何でこんなに雅には振り回されたくないのか。

 まあ、でも…、


─────そんなのいっか。どうだって。


「み、やび…、」

「ん?」

「だいすき、」


 そう言った所までは覚えている様な、もうここが夢なのかどうかも分かっていない。きっと私は朝起きたら「何も覚えてない」なんて卑怯な事を言うのだろう。

 いつもそうだから、こんなに溺愛を受けていても、夢か現実かの区別もつかない程愛されるのだから、覚えていられるわけが無い。
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