執拗に愛されて、愛して
「欲しいよ。いつだって夏帆の全部欲しいって思ってる。」


 ほら、こういう所。

 普段嫉妬したら余裕なんて無くなる癖に、余裕なくなったら私の事力でねじ伏せる癖に、こうして私が素直になれないで駆け引きを続けたらちゃんと引くところを引いて、聞きたい言葉は言わせているのに負けている気になる。

 本当にムカつく。だけど、好き。許せないのに、求めてしまうの。


「も…、無理。私の負けで良い。」

「バカだな、本当お前って…。無自覚な所ムカつくよ。計算?」

「え…?」


 その先の言葉は来なくて代わりに降ってきたのは甘い言葉でも何でも無くて、ずっとほしかったモノ。さっきまで余裕そうに揶揄っていたのに、今度は深く空いた隙間なんてないとでも言う様に全部与えられている。

 本当ふわふわするぐらいに気持ち良くて、シャツを掴んでいた手を今度は雅の首の後ろに回して、もっと、もっとと強請ってしまう。それから少し離れた時には涎が垂れて、それさえも舐めとられてしまう。

 それから見つめ合うと「…本当、ムカつくけどかわい。」と飛び切り甘い言葉で吐いて私の言葉なんて待たずしてそのまま寝室に連れ込まれてベッドに押し倒される。
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