執拗に愛されて、愛して
「…もういい?俺、ちょっと外に出てくるから。」

「え、こんな時間に?」

「今、夏帆の顔見てるとイライラして余計な事言う。」

「な、言えばいいじゃない。いつもそんな遠慮しないくせに。」

「いちいち言いたくも無いわ。もう。」


 いつもなら言葉はきついけど雅は全部伝えてくれた。

 こんな風に話し合いを拒絶されたのは、初めてだった。


「…どいてくんね?だるい。」


 ベランダと出入りする掃き出し窓の入り口で突っ立っている私に、雅はそう言い放った。

 どうして、何も分からないのにだるいとかそんな言葉理不尽に掛けられなければいけないのだろう。

 大前提私が悪い自覚はあるし、どこまでもそこに関しては謝るつもりではいるけど、それでも私が思い当たる理由以外に何かあるのなら教えてくれないと何も分からないし、謝り様も無い。


「嫌。ちゃんと話してくれなきゃ、どかない。」

「だるいって聞こえてねぇの?今お前と冷静に話せないの、理解できる?傷付けたくもねぇし、今は喧嘩するエネルギーもねぇからどけろ。」


 こんなにはっきりとした拒絶をされると思っていなくて、苦しい。どうして仕事の為に、後輩の為にってしたことは毎度雅をこんなにも本気で怒らせるのだろう。
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