執拗に愛されて、愛して
「当時の俺に夏帆より優先しなきゃいけない物なんて無かったよ。」


 いつもはぐらかして何も答えてくれないくせに今日はずるい。私が不安になっているのも察して最近は色々な言葉をくれる。欲しいと思っている言葉全て。


「最近、素直なの怖い。」

「もうお前が勝手に俺の気持ち汲み取った気になるの面倒だからな。変なプライド捨てて分かってもらえるなら伝えるのも悪くねぇかって思っただけ。」

「…ごめんってば。」

「お前しばらく俺に頭上がんねぇな。ばーか。」


 このクソガキ…!と言いたいけどこの男2つ上なんだった。忘れてしまう程、ばーかの言い方がクソガキで忘れてた。


「俺も馬鹿だと思うけどね。こんな可愛げない女なのに、それでも夏帆が可愛くて仕方ない。」


 そう微笑む男の顔が最高に良くて、目の前がチカチカした。こんな男にこんなに愛されている私は一体何だというのだ。


「…一生その顔でいてくんない?」

「お前のそう言うぶれないところ本当何なの。ときめき方特殊なんだよ。」


 いつもいつも私は素直になれないのに私を置いて雅が素直になってしまうから、負けた気になる。可愛げのない私を可愛いなんて言う馬鹿、あんたしか居ない。
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