執拗に愛されて、愛して
 それから更に半年後の事だった。

 咲人も生まれて里帰りから帰ってきて、3人での生活が始まって1ヶ月経つ。まだ夜泣きも酷いし全く眠れない生活が続いているけど、身体は思ったより楽だった。授乳を終えた咲人を雅が抱っこするとそのまま家の中を歩き回って、それが落ち着くのか咲人もうとうとと気持ち良さそうにしている。

 思ったよりも父親をしている雅の姿を写真に収める。


「夏帆、お前そんな暇あったら寝とけば?いつまで写真撮ってんの。」

「そろそろスマホの容量に限界を感じてる。」

「お前が限界なのは頭だよ。寝ろ。」


 だって旦那が可愛い可愛いわが子を抱いている姿とか尊い過ぎて泣いてしまう。

 カメラロールが咲人と雅で埋まっていて幸せ過ぎるとはこのことを言うのかもしれない。

 雅は呆れながらも咲人を寝かしつけて、ゆっくりとベビーベッドに寝かしている。それから私の方に近付くと、私の手からスマホを取り上げる。


「寝れないなら夏帆の事も寝かしつけようか?」


 そう言いながら私の隣に座って、雅の肩の方に倒れ込ませる。

 やばい、思わぬ行動にときめいてしまった。

 雅の方を見ると目が合った後額に口付けされて、優しく頭を撫でてくれる。


「…無理、寝たら勿体ない。」

「夏帆って本当たまにすげぇバカ。」


 そう言いながら笑ってずっと肩を貸してくれていた。

 こんなに甘い時間、随分久しぶりで私達はそのまま意識を遠のかせて一緒に眠りに落ちる。この時間のおかげでどんなに辛くても幸せだ。
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