執拗に愛されて、愛して
「今まで夏帆の仕事の都合とかバカみてぇにうじうじ悩んで言い出せなかったけど、やっぱいいな。夏帆の1部が入ってるってだけですげぇ可愛い。」

「…酔ってる?」

「最近酒飲んでないの知ってんだろ。 」

「あんたが素直な時酔ってる時しかなかったから。」

「年取ったんじゃね?」


 そんなの耐えられない。

 こうなる度にこんなに甘いのなんて苦しくて、どうしようもなくなる。

 雅が常に私の事を考えてずっと我慢していてくれた事も、嬉しい。

 仕事が好きだという私の意思を尊重してくれていたのだから。


「…女の子がいいな。」

「俺もそう思う。」


 2人で笑ってそれから、我慢していたとでも言う様に唇に口付けを深く深く落とし込んでくる。

 言わなかっただけでずっと求めていてくれたんじゃないかなんて、言わなくても伝わる事が沢山あって、愛おしい。

 咲人のためにって煙草もお酒も止めてくれていることも、初めての育児だからって一緒に成長しようと育休を取ってくれた事も、そんな雅だから何も不安を感じずに居られる。

 唇が離れて見つめ合うとぎゅっとそのまま首の後ろに腕を回して抱き着いた。


「大好き。」


 そう言うと数秒だけ無言の時間が続いて、私の頭を撫でて、大事に触れてくれる。

 照れているのか、言葉では返ってこないけど、それでもきちんと伝わっているから。
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