執拗に愛されて、愛して
 翌朝、回らない頭で身体を起こしたが、隣で裸で眠っている雅を見てから徐々に頭も冴えてくる。

 もう何も驚きなんかしない。これは私が流された自覚もあるし、2回目にもなれば騒ぐ気も起きない。

 雅の腕の中から抜け出して、近くに落ちている浴衣を拾って身に着けて洗面台に向かった。洗顔や着替えを済ませて、メイクを始めていた。

 用意をしている時にようやく雅が体を起こして、寝惚け眼でこちらを見ている。そんなぼんやりした表情でも顔面が良いの羨ましい。


「おはよ。」


 そう言って笑いかけるとまだ頭が起きていないのか「…はよ。」とだけ返事をしていた。



「今日、あそこのお酒買って帰りましょ。玲くんにお土産としても良さそうよね。」

「…ん。」


 寝ぼけながらのそのそと起き上がってきて、そのまま後ろから私に抱きついてくる。


「ちょっと用意しなさいよ。」

「一緒に起きてくれたらもっかい犯していこうと思ったのに。」

「バカじゃないの、早く用意して。」


 そう言いながら押し避ける。

 昨日あれだけしておいて、これ以上求められたら身体が壊れる。

 嫌がる私に少し笑うと、洗面所に向かって行った。

 昨日の雅との行為はまるで恋人みたいに甘くて、求められ方もなんだか前回と少し違った気がした。最初は雅も気の知れた遊び相手が欲しいのかと思っていたのだけど、昨日はそんな感じがしなかった。

 これ以上きっと距離が近付いたら友達に戻れない様な気がして、雅との今の距離感を危険だと感じていた。

 それとも、友達で居たいなんて思っていたのは、本当に私だけだったりして。
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