君と始める最後の恋
「は?君、昼返上でやるの?」

「そうです、時間もないので。」

「バカじゃないの。そんなことするならもう1人の子の面倒もこっちで見るよ。ほら、お昼は食べに行く。」


 手首を掴まれて立たせようと引っ張られる。


「わ、やめてください!」

「間に合わないなら手伝ってやるから暴れんな。」


 そう言いながら、半ば強引に社食に連れて行かれた。

 手首なんか掴まれたまま社内歩かれると目立つんですけど!と、恥ずかしさなどで頬が熱くなる。

 意外とこの人強引な所あるんだから!!!!





𓂃𓈒𓂂𓏸






「いただきます。」


 2人で相変わらず手を合わせて、向かい合ってご飯を食べている。食べる気なかったお昼は、気付いたらガッツリとラーメンを注文していた。それも先輩の奢りで。


「…今日先輩が優しくて怖いです。」

「俺は自分の補佐にちゃんと仕事してほしいだけ。面倒見いいのは良いけど自分のタスクともちゃんと相談しなよね。」

「おっしゃるとおりで。」


 先輩の言う事は正しいけれど、それでも1日目は不安だから寄り添ってあげたいとは思う。昨年は不安とか思う間もなく馬車馬の様に働かされていたけれど…。私はきっとそうなるまで上手く人に指示なんて飛ばせない。

 私は先輩として、水無月さんはこの会社の一社員として1つずつステップアップしていくやり方が良いと思った。
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