君と始める最後の恋
　後日、今年の新人2人…、つまり、小川くんと志織ちゃんの歓迎会が行われた。

　営業部の飲み会は相変わらずだ。若干志織ちゃんが引いてしまっていて、小川くんは高橋さんに絡まれている。私は新人2人のケアをしつつ先輩の対応をする。


「新人2人飲みなよ！君達の歓迎会なんだからさあ！」


　相変わらずアルハラが激しい高橋さん。こんなハイペースで飲まされたら、きっと新人2人は酔い潰れてしまう。高橋さんが2人に押し付けようとしているお酒を私が奪う。


「わ、わあ！私が飲みたいですー！」


　そう言いながら一気に口の中に流し込む。


「（アルコール強い方じゃないのに～！）」


　自分を犠牲にしてでも、新人に無理をさせる訳にも、酔わせるわけにもいかなかった。

　そんな責任感で後輩たちを守ろうとしたが、悪手だと自覚はしている。


「あれ、今日郁ちゃん飲める日ー？じゃあとことん付き合ってもらおうかな！」

「もちろんですー！」


　お酒が強くないと自覚していたはずなのに、ここは私が！と前に出て思わず飲み過ぎてしまったのが良くなかった。当然、私だって高橋さんのハイペースについて行けるほど、お酒は強くないし、上手く飲む方法などまだ身に付いてはいない。
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