君と始める最後の恋
上手くいかない関係性
　週末の喧嘩の様な出来事の後の週明け。

　結局休みを使って考えても、何も理解出来ないまま出勤する。いまだに、イライラは収まらなかったけれど、一ノ瀬先輩が意味わからないので休みますなんて、出来るはずもなく大人しくいつも通り出勤した。オフィスに入ると新人2人は既に来ていて、2人してこちらに近付いてくる。


「おはようございます！先週大丈夫でしたか？郁先輩。」


　そう心配してくれるのは志織ちゃん、朝から癒やされる。


「心配してくれてありがとうね、私実はあの日の記憶無くて…。」


　そう返すと、小川くんが何か言いたげにしては口を噤んでいた。
　そんな様子が気になって「どうしたの、小川くん。」と問い掛けた。


「あの、桜庭さんと一ノ瀬さんは、お付き合いされているんですか？」

「え、ええ？無いよ。」


　小川くんの言葉に少し驚いた。そんな風に思われているとは思っていなかったから。私の好きが知らずに出ちゃっていたのか。だとしたら相当恥ずかしい。

　それと同時に恋人同士の関係に見えるのであれば、少し嬉しかったりもする。先輩からしたら、迷惑な話なのかもしれないけれど…。


「確かに、あの時の一ノ瀬さんすごい格好良かったです。小川くんが酔った先輩を介抱しようとしたらそれを彼氏みたいに奪って、郁先輩を連れ帰ったんですよ。」


　興奮した様に話す志織ちゃんの言葉を疑う。彼氏みたいに奪ってってそんな事あるはずもない。だって、先輩は私をただの後輩としか見ていないのに。
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