君と始める最後の恋
「俺、牽制されたっぽくて。「この子の面倒を見るのは俺の仕事だから」って、結構睨まれたし…。それでお付き合いされてるのかなって。」
「…付き合ってないよ。」
どれも夢でも見てんじゃないのと言いたくなる様な話にあまり現実味を感じない。この子の面倒を見るの俺の仕事だからって、多少周りの後輩よりも距離が近いから、可愛がってくれているだけだ。特別な意味は無い。
そんなことを考えながら、デスクの時計を見ると40分だった。そろそろ一ノ瀬先輩が出勤してくる。
どれだけ腹が立っていてもいつもどおりの習慣には勝てないのか、給湯室へ向かう。その際、小川くんがその後ろを着いてきていた。いつも着いてなんて来ないのに、違和感を感じて声を掛ける。
「ん?どうかした?」
「桜庭さん何でいつも一ノ瀬さんのコーヒー入れるんだろうなって。あの人普段からもコーヒーだけは桜庭さんに頼みますよね。」
「うーん、昨年からの癖があるからかな。」
「この時代に、それってパワハラじゃないんですか。」
「私もこれ嫌でやってるわけじゃないから大丈夫だよ。」
心配してくれている小川さんに笑ってそう話しながら、給湯室で先輩のマグカップを使っていつも通りセットしてボタンを押す。
「(私も思ったなぁ。令和のこの時代になってもお茶汲み?って。)」
コーヒーがカップに注ぎ込まれたのを確認すると、取り出してミルクとシュガーを2つずつ取って入れて掻き混ぜる。毎度先輩がありがとうって言ってくれるの嬉しかったりするし、入りたての時以外は嫌だと思ってやった事はなかった。それに先輩が「コーヒー淹れてきて」って甘える様にマグカップ渡してくるのも可愛いし、私にしか頼まないのが嬉しい、とか。
苛立っているのにこんなことを考えてしまっていて、首を横に振る。
可愛くない、あんな意味不明なド鬼畜髪の毛サラサラヘアー男。
「…付き合ってないよ。」
どれも夢でも見てんじゃないのと言いたくなる様な話にあまり現実味を感じない。この子の面倒を見るの俺の仕事だからって、多少周りの後輩よりも距離が近いから、可愛がってくれているだけだ。特別な意味は無い。
そんなことを考えながら、デスクの時計を見ると40分だった。そろそろ一ノ瀬先輩が出勤してくる。
どれだけ腹が立っていてもいつもどおりの習慣には勝てないのか、給湯室へ向かう。その際、小川くんがその後ろを着いてきていた。いつも着いてなんて来ないのに、違和感を感じて声を掛ける。
「ん?どうかした?」
「桜庭さん何でいつも一ノ瀬さんのコーヒー入れるんだろうなって。あの人普段からもコーヒーだけは桜庭さんに頼みますよね。」
「うーん、昨年からの癖があるからかな。」
「この時代に、それってパワハラじゃないんですか。」
「私もこれ嫌でやってるわけじゃないから大丈夫だよ。」
心配してくれている小川さんに笑ってそう話しながら、給湯室で先輩のマグカップを使っていつも通りセットしてボタンを押す。
「(私も思ったなぁ。令和のこの時代になってもお茶汲み?って。)」
コーヒーがカップに注ぎ込まれたのを確認すると、取り出してミルクとシュガーを2つずつ取って入れて掻き混ぜる。毎度先輩がありがとうって言ってくれるの嬉しかったりするし、入りたての時以外は嫌だと思ってやった事はなかった。それに先輩が「コーヒー淹れてきて」って甘える様にマグカップ渡してくるのも可愛いし、私にしか頼まないのが嬉しい、とか。
苛立っているのにこんなことを考えてしまっていて、首を横に振る。
可愛くない、あんな意味不明なド鬼畜髪の毛サラサラヘアー男。