君と始める最後の恋
「押して押しまくるって話はもう無いんですか。」

「うーん、無いわけじゃないんだけど、今複雑なんだよね色々。」


 苦笑いしてスプーンでご飯とカレーを掬うも、ご飯が何だか喉を通らない。

 志織ちゃんの言う事は凄く正しくて、真っすぐで何だか今の私には苦しい。

 先輩の気持ちを確かめるにも私には踏み込めない部分が多すぎてどこまで聞いて良いのか、どうしたら良いのかわからない。







𓂃𓈒𓂂𓏸






 昼休み、お腹もいっぱいになって、眠気にいつも通り襲われる。
 喉を通らないと言いながら残すのはもったいない精神が出て、なんだかんだ完食してしまうのが私だと言う気がして自分でも呆れてしまう。

 昼食後いつも甘めのコーヒーを買うけれど、眠気覚ましに今日は微糖のコーヒーを買った。

 午後からのこの時間は大きな窓から陽の暖かさを感じる上に、タイピング音とコピー機が動く音、電話する声、周りが少し話しながら仕事する声、全てにおいて心地良くて眠気を誘われる。

 こんな穏やかな午後だが、先輩との事は全く解決していない。ちゃんと話したいのにどう切り出したら良いのか、すごく悩んでしまう。
< 121 / 426 >

この作品をシェア

pagetop