君と始める最後の恋
 クッションを抱えてソファーでウトウトしていると足音が近くまで聞こえてきている。もう眠たくて目は開かない。

 隣に類くんが座ると私の頭を寄せて、優しくぽんぽんと撫でてくる。


「もう寝んの。」

「…んー。」

「んーじゃなくて、君には言いたい事が山程あったんだけど。」


 少し怒ってる様な口調をしているのに、触れてくる手はすごく優しくて安心してしまう。

 類くんの隣が一番好きだな。そういう気持ちを伝えたいのに眠たくて瞼も開かなければ会話も上手く出来ない。


「…何で前みたいに連絡するのやめたの。お陰様で寝る前にスマホを眺める癖やめられないんだけど。」


 前みたいに連絡して良いんですか?なんて心の中でしか会話はできない。


「意外と甘え下手。そんなに俺には甘えられないの?我儘言えない?」


 そんな先輩の切ない声だけが聞こえてくる。こんな弱った声を出す先輩の声を初めて聞いたかもしれない。何だか可愛らしい。

 ちゃんと言葉は頭に入ってきているのに、反応する気力は無くて、目を瞑りながらずっと類くんの独り言の声を聞いていた。
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