君と始める最後の恋
「もしかして、俺ばっか君のこと求めてる?計算なの、それ。実は駆け引き上手だったりする?」


 そう言いながらむにむにと頬をつまむ類くん。

 沢山類くんと話したい。目をなんとか開けようとしたタイミングで、唇がそっと重ねられる。


「(う、わ~、目開けにくくなっちゃった。)」


 顔が熱くなるのを感じていると今度は軽く鼻をつままれた。


「ふがっ。」

「起きろ、桜庭 郁。」

「なっ、起きるつもりだったのに先輩が…、ちゅーするから…。」


 そんな風に言うと類くんの表情は優しくて、私の顔を見ていてくれている。久しぶりに見るそんな優しい表情にときめいて目が離せなくなった。


「…その、久しぶりの類くん摂取に結構いっぱいいっぱいというか…、余裕がないと言うか。」


 手のひらを顔の前に持ってくると、先輩は私の手首を掴む。


「最近、連絡もくれないし、君の素直なおねだりが中々出ないの何で?前までは抱き締めてとか言えてたじゃん。」

「…それは、付き合いたてで浮かれすぎて…。そういう所で嫌われたくないなとか後からふと冷静になっちゃったり…。」

「はあ?バカじゃないの。」


 呆れた様な表情をする類くんに言葉に詰まってしまう。
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