君と始める最後の恋
 たまごがゆを少し食べ進めると、もう一つの小鉢を取って中身を見せてくれた。


「風邪引いた時すりりんご食べなかった?」

「私の家は…うさちゃんりんごでした。」

「そうなんだ、覚えとく。俺の家は風邪ひいたら母さんがりんご擦ってくれてたんだよ。食べる?」


 うんとその言葉にも頷くと、それも食べさせてくれた。

 幸せすぎる、弱ってたらこんなに大事にしてくれるんだ。いつもの数千倍優しい類くん。風邪引いてこんなに優しくしてくれるなんて、将来いい旦那さんになりそう。なんて、いつになるかも分からない未来を想像してしまった。

 りんごも食べさせてくれるとペットボトルの水と薬を渡してくれて大人しく薬を飲む。そこまで済ませると、類くんは私の身体を横たわらせてくれた。

 どこまでも優しくて泣きそうになってしまう。


「ゆっくり休んで、はやく治して。」


 そう言いながら私の手を繋いでいてくれる。仕事忙しかったはずなのに寝付くまで一緒に居てくれる。こんな風に私を優先してくれるなんて思わなかった。

 普段だって優しくて、大事にしていてくれるのに、今日は一段と大事にされていると感じた。
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