君と始める最後の恋
「俺は良いですけど、飲ませすぎないでくださいね。“うちの彼女”お酒弱いんで。ね?」


 いつもの猫を被った類くんが笑顔をこちらに向けてくる。うちの彼女に少し圧が掛かっていたのは気の所為?


「行くなら郁も飲みすぎない様に。帰りは迎えに行くよ、心配だし。」

「…そんな過保護でした?先輩。」

「何か言った?」

「いいえ何でも。」

「よし、参加ね!」


 そんな感じで飲み会への参加が決まった。

 何か今の類くんらしくなかったな。と、違和感を感じたけれど、そこに関して突っ込む事は出来なかった。

 2課のデスクに戻っていく類くんの背中を見送っていると結絃が苦笑いしている。


「郁の彼氏の先輩さ。」

「ん?」

「独占欲強いってよく言われてない?」


 そんなの感じた事…、無いと思っていたけれど、何度か話には出ていた気がする。


「…結絃から見てもそう思う?」

「大分、何か今牽制された気がするわ。」

「牽制?何の?」

「…いや、気にすんなよ。仕事しようぜ。」


 色々引っかかる部分はあったものの、話を流されてそれ以上は聞けなかった。

 類くんは誰かに何かを牽制するとか、そんなタイプでは無いと思うけれど、誰に何の牽制をしていたのか。
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