君と始める最後の恋
「どこが…。んー。」


 そう聞かれると難しい。本当鬼畜だし、意地悪だし、素直じゃないし、時々すごく冷たいけど。それでも本当は誰よりも甘くて、優しい人で、面倒見が良くて、ツンデレで、一途で。上げたら上げるほどきりが無い程に類くんの好きな所が浮かぶ。


「郁ちゃん可愛い!顔が物語ってる!そんなに好きなんだね。」

「え!?」


 顔が物語ってるって言われて慌てて両手で頬を隠す。

 恥ずかしすぎる、人前でこんなの。


「小鳥遊くんは?彼女とかいないの?」

「んー、俺はしばらくいないっすね。」


 何も気にする事もなく結絃はビールを口にしながら答えている。


「へぇ、しばらくって?」

「そっすね、高校の時別れてから付き合ってないかな。」


 その発言に思わず咳き込んでしまう。

 私と先輩に出会う前の私と一緒で好きになれる人がいなかったから彼女作らなかっただけかもしれないのに、酷く動揺してしまった。
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