君と始める最後の恋

　今日も家事をこなしてお風呂を済ませて22時過ぎ頃、類くんがようやく帰ってきた。


「ただいま。」

「おかえりなさい！」


　玄関先まで出迎えると類くんが、疲れた顔で「ん」と短く返事をして中に入って手を洗いに行く。今日もかなりお疲れの様子なのを確認し、私はキッチンにご飯を温めに向かった。類くんが手を洗ってリビングに戻ってきてネクタイを軽く緩めると、テーブルの上を見ている。


「温めてくれたの、てか、毎度一緒に食べられないのに、ご飯作ってくれてありがとう。あれなら遅くなる日は買って帰ってくるよ。」

「うーん、まっすぐ帰ってきて休んでほしいですし、極力は作ります。もしきつかったらお願いします。」


　そう言いながら温めた料理を並べていくと、類くんが私の腕を掴んで抱き寄せる。こんな急に抱きしめられることないから驚いた。