君と始める最後の恋
 挙式も披露宴も何も問題なく終わった。

 ここから二次会に行く人は行くらしいけど私は先輩に空けといてって言われて二次会への参加は辞退していた。

 車に乗り込んで少し落ち着いた頃、一ノ瀬先輩から「まだ時間ある?帰り送ってくから、少し話したいんだけど。」と言われて何の話か身構えてしまう。


「…時間、無いです。怖すぎます、その誘い方。」

「はいはい、じゃあこのまま拉致で。」

「じゃあ聞かないでくださいよ!」


 そう叫ぶ私の声も虚しく車は走り出していく。

 話って、何の話。と、緊張してくる。
 いい話なのかわるい話なのか想像も付かなくて、ずっと怖い。
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