クールな総長は私だけにとびきり甘い
「……ミルク、どうだった?」
振り返ると、そこには蓮がいた。
廊下の窓際に立って、片手をポケットに突っ込んだまま。
少しだけ伏せた目。けれど、確かに――ことはを見ていた。
「元気だったよ。骨にも異常なかったし、すごく甘えてきて……かわいかった」
「……そっか」
蓮はそれだけ言って、ほんのわずかに目を細めた。
それが“安心”だったと気づいたのは、ことはの胸がまた少し温かくなったから。
「あの子、たぶん人間が好きなんだと思う。……だから、きっと、すぐ元気になるよ」
「……お前もな」
「え?」
「お前も、人間が好きそうだって思った」
ぽつりと落ちたその言葉に、ことはは不意を突かれて黙ってしまった。
否定でも肯定でもない、ただ静かなひと言。
振り返ると、そこには蓮がいた。
廊下の窓際に立って、片手をポケットに突っ込んだまま。
少しだけ伏せた目。けれど、確かに――ことはを見ていた。
「元気だったよ。骨にも異常なかったし、すごく甘えてきて……かわいかった」
「……そっか」
蓮はそれだけ言って、ほんのわずかに目を細めた。
それが“安心”だったと気づいたのは、ことはの胸がまた少し温かくなったから。
「あの子、たぶん人間が好きなんだと思う。……だから、きっと、すぐ元気になるよ」
「……お前もな」
「え?」
「お前も、人間が好きそうだって思った」
ぽつりと落ちたその言葉に、ことはは不意を突かれて黙ってしまった。
否定でも肯定でもない、ただ静かなひと言。