クールな総長は私だけにとびきり甘い
放課後。

 チャイムが鳴ると、教室は一気に騒がしくなった。

 鞄を閉める音、椅子を引く音、友達同士の笑い声。

 でも――ことはの周りだけは、どこか空気が違っていた。

「ことは、今日一緒に帰る?」

 彩香が声をかけてくる。

「ごめん、今日はちょっと……」

「……そっか。じゃあ、また明日ね」

 ことはは鞄を肩にかけて、教室を出ようとした。

 そのとき、背後から声がかかった。
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