クールな総長は私だけにとびきり甘い
バイクを止めると、蓮は少し肩で息をしていた。

髪も服も濡れ、体から湯気が立ち上がっている。

「蓮くん……大丈夫?」

「平気。お前は……寒くないか?」

「私は平気。でも、蓮くんのほうが……顔、赤いよ?」

「……ちょっと寒いだけだ。平気」

ことはは心配そうに蓮を見つめる。

さっきから様子が少しおかしい。

「……私、言いたかったの。今日、海に連れてってくれてありがとう。ほんとに、ほんとに嬉しかった」

「お前が笑ってるの見れたから、それで十分だよ」

そう言った蓮の声が、少しだけかすれていた。

「……蓮くん、熱あるでしょ。ちゃんと帰らなきゃ……!」

「悪い、少しだけ、休ませてくれ」

倉庫の中にあった古いソファに、蓮がゆっくりと体を預ける。

ことはは急いでタオルを探し、濡れた髪と服を拭いた。

「ねぇ、家、どこ?送るから」

「……家、鍵持ってねぇ。今日は……無理だな」

ことはは一瞬だけためらったあと、深く息を吸った。

「じゃあ、私が看るよ。今日は私が、そばにいる」
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