クールな総長は私だけにとびきり甘い
毛布にくるまって横になる蓮。

頬は赤く、額には薄く汗。

そんな蓮の顔を、ことはは心配そうに見つめていた。

「……ほんと、無理しすぎ。私のせいだよね、濡れたの」

「違う。お前が話したいって言ったから、来た。俺が勝手に……嬉しかっただけ」

「もう、そういうの……ずるいよ」

ことははそっと蓮の髪を撫でながら、濡れタオルを取り替える。

その指先に、蓮が静かに目を細めた。

「……その手、気持ちいい」

「よかった。いっぱい触ってあげる」

「……ほんと、彼女っていいな」

ことはは顔を赤くしながら、でも笑う。

「まだ足りないなら、もっと甘やかすよ?」

「……して」

その一言に、ことははほんの一瞬だけ動きを止めた。

そして、ふっと表情を緩めて、そっと蓮の頬に自分の額を寄せる。

「大丈夫だよ。私、今日だけじゃなくて……これからもずっと、こうして看病するから。

具合悪くても、怖い夢見ても、隣にいるからね」

蓮は熱のせいで少しぼーっとしながらも、ことはの手を取って胸元で握りしめた。

「……お前の声、落ち着く。お前の匂いも」

「じゃあ……もっと近くにいるね」

そう言ってことはは、蓮の横にそっと座り、彼の頭を自分の太ももへと乗せた。

「ここ、枕にして。あったかいでしょ?」

「……ことは、天使?」

「ばか……熱で変なこと言ってる」

ことはは笑いながら、でもその目は真剣だった。

「ちゃんと治るまで、キスもがまんだからね。……すぐ治して?」

「……それ、一番効く薬だわ」
< 55 / 68 >

この作品をシェア

pagetop