さくらびと。美桜 番外編(2)
弱々しくも確かな願いだった。



裕紀は深く頷いた。




「もちろんだ、なんでも言ってくれ」






窓の外では桜が風に舞っている。




薄紅色の花びらが一枚、室内に迷い込み、美桜の枕元に落ちた。







「桜が……きれい」





< 72 / 97 >

この作品をシェア

pagetop