ぜんぶ、ちょうだい。

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宙に舞った大量のプリントが、視界を一気に覆った。


反射的に手を伸ばして、一枚拾い上げる。


慌てて床にしゃがみ込む彼女に差し出すと、驚いたようにあとずさった。



――なんで、そんな反応する?



顔を見て、すぐに気づいた。


毎朝、俺に挨拶しに来ていた子だった。


余計なことをしたかもしれない。関わらない方が楽だと分かっているのに。



……でも、同時に思った。


これはチャンスかもしれない、と。



「俺のこと、どうしたら諦めてくれる?」



気づけば、そんな言葉が口をついていた。


毎日、挨拶しにくるだけ。

それだけのことなのに――なんとも思ってない相手に、わざわざ待ち伏せしてまで毎日そんなことしないだろ。


朝は眠くて機嫌が悪いのは自覚してる。

正直、しつこいし、目障りだとも思っていた。だからこそ、俺に期待なんてしないでほしかった。



「さすがに毎日はしんどい」



そう言えば、諦めてくれると思った。俺から距離を置いてくれると思った。


……なのに。


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