ぜんぶ、ちょうだい。



「先輩の声を聞いて、もっと好きになりました! なので、諦めません! これからも毎日挨拶します!」



キラキラと輝く瞳で、俺とは正反対のまっすぐな目を向けてくる。


毎朝、待ち伏せなんて普通に考えたらストーカーだし、正直怖い。



……それなのに。



『先輩はまだ、私のことこれっぽっちも知らないじゃないですか…』

『好きでいるだけでも、だめですか?』

『覚悟しててくださいねっ、先輩』



思い返せば、吉川のようなタイプは周りにいなかった。


諦めが悪いくせに、一瞬で落ち込んだり。


…かと思えば、ドストレートに気持ちをぶつけてきたり。



俺の前で、ころころと表情を変える吉川が――面白くて仕方なかった。



そんなに俺が好きなら。



だったら、俺のことを本当に好きにさせてみろよ。

もっと俺に、会いに来たらいいだろ。


気づけば、そう思うようになっていた。


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