ぜんぶ、ちょうだい。



でも私は、バカで、どうしようもなくて。
先輩のことを好きだって気持ちしか、誇れるものがなくて。


それでも。



「……せっ、先輩の……彼女に、なりたいです……っ」



たぶん。
というか、確実に、振られる。

それでも、もう、逃げたくなかった。

最後まで、ちゃんと、聞いてほしい。

私の、この気持ち。

どうか――

ちゃんと、伝わって。



「先輩を好きな気持ちは……絶対に、誰にも負けませんっ……私が、先輩を、幸せにしてあげたいですっ……!」



ボロボロの顔なのは分かってる。
涙でぐちゃぐちゃだし、きっと鼻も赤いけど、顔を上げて、ちゃんと、先輩の顔を見て言った。

すると、先輩は、くすっと小さく笑った。

そのまま、私の頭に、そっと手を置いて。

撫でる。



「幸せにしてあげるって……かっこいいな」

「……っ」



息が、止まりそうになる。

蕩けるみたいに、優しい顔。
ドキドキして、胸が痛い。

自分が今、人に――ましてや好きな人に見せる顔じゃないなんて、そんなこと、全部どうでもよくなってしまう。


だって、幸せにしてあげたいんだ。
私が。
泉先輩を。

そう思っただけで、胸が、きゅーって締めつけられる。


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