ぜんぶ、ちょうだい。



びっくりして、思わずあとずさり。



「…った~!!」



頭を壁に打った。痛い。けど、それ以上に、心がざわついてる。



なんで、ここに先輩が!?

いや、学校だからいてもおかしくはないんだけど…!

でも、でも、でも! 泉先輩が、目の前でプリントを拾ってくれてる。


しかも、無言で、淡々と。 頭を打った私には、目もくれず。



わ、私も拾わないと。



先輩が近くにいる。それだけで、心臓がうるさい。

ドキドキしながら、震える手でプリントを拾う。



そして、最後の一枚。


泉先輩が拾って、私に差し出してくれた。



「…ありがとうございます」



お礼を言って、受け取る。



その瞬間―― 初めて、先輩と目が合った気がした。

綺麗な瞳の奥に、私が写ってる。



ドキッとして、思わず目を逸らして俯く。



せっかくのチャンスなのに…!


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