ぜんぶ、ちょうだい。



「おい、吉川!」



グラウンドにはサッカーボールがたくさん転がってる。

今日はサッカー? ってことは、泉先輩のサッカー姿が見れるってこと!?


やばい、やばい、やばいっ…。 走る姿とか、ボール蹴る瞬間とか、絶対かっこいいに決まってる…!



「吉川!!!」

「はいっ!?」



急な大声に、思わず反射で叫び返してしまった。


教室が一瞬、しん……って静まり返る。


視線をグラウンドから前に戻すと――


目の前に、先生。



「吉川……俺の授業でよそ見するとは、いい度胸だな?」

「え、あー……えっと……」



言い訳が、出てこない。

だって、完全に見惚れてた。泉先輩に。



「授業が終わったら職員室に来い」



先生はそう言い残すと、バサッとカーテンを閉めた。



……うっ、うそ~~~~っ!!


せっかくの泉先輩タイムが……!


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