ぜんぶ、ちょうだい。



授業が終わって、私は重い足取りで職員室へ向かった。


机から立ち上がる瞬間、清水が振り返って「ドンマイ」って言った。



……見てたくせに。

清水も泉先輩のサッカー姿、窓から見てたくせに。なんで私だけ怒られるのっ?


ひまちゃんも呆れ顔。

「ほんとにもう……」って、目で言ってる。冷たい。みんな冷たい。



はぁ……今から怒られるって分かってて行くの、ほんとにイヤ。

でも、逃げられない。

泉先輩の姿に見惚れてたのは、事実だから。



職員室のドアを開けると、先生が顔を上げた。



「おー、待ってたぞ」



その声が妙に軽くて、逆に怖い。

今すぐにでも教室に戻りたい。



「えっと……すみませんでした」



とりあえず謝る。


先生は腕を組んで、じっと私を見てる。


説教モード、確定。


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