ぜんぶ、ちょうだい。
「旧校舎持ってくの?一緒に行くよ」
「いや、あの…」
言葉が詰まる。
なんだか、怖い。
親切そうに見えて、どこか軽い。
段ボールを取られそうになった瞬間――
ひょいっと、反対側からそれが持ち上がった。
「い、泉…」
私の段ボールを取ったのは、泉先輩だった。
「いや、これはな…このストーカーが泉のことずっと見てたから注意しようと思って!」
……いや、まあ。事実だけども。
チラッと泉先輩の顔を見上げる。
昨日ぶりのこの距離。
でも、昨日とは違う。怒ってる。はっきりと。
眉が少し寄っていて、目が鋭い。
口元はきゅっと結ばれていて、何も言わなくても、怒ってるのがわかる。
……怖い。