ぜんぶ、ちょうだい。
「……大人しく待ってるので、帰ってきたらご褒美欲しいです」
袖をつまむ手に、 少しだけ力を込めて呟いた。
すると――
「は?なんで?」
先輩の声。冷たい。
「先輩のケチ!」
思わず言い返すと、
「はいはい。手、離して」
……でも。
「でも、そこも好きっ……かっこいいっ!」
口が勝手に動いた。
「分かったから、こんなとこで大声やめようね?」
呆れたように言われて、ちょっとだけ、胸が痛くなる。
もうちょっと…… 私に希望持たせてよ。
だって、修学旅行なんて――
そんなの絶対、先輩にアタックする女の子いるじゃないですかっ!
あ!の!水元先輩も! 例外じゃないですよっ……!