ぜんぶ、ちょうだい。
「行ってほしくないぃ~……」
泣きそうな声で言ったら、
「さっきからなに? そもそも期待しないでって言ってるよな?」
ガッと、片手で頭を押される。
「うっ……横暴!」
「どっちが?」
離れていく先輩の背中。その距離が、やけに遠く感じる。
もうっ……!
いつになったら、 私のこと、意識してくれるんですかっ?
こんなに、こんなに好きなのに。
毎朝、昇降口で待ってるのに。
髪だって、メイクだって、全部、先輩のために頑張ってるのに。
だから、 帰ってきたら、
ちょっとだけでいいから――
私のこと、見てくださいねっ?