キミの隣は俺の場所
第1章
陽菜side

知らない街の夜道は、思った以上に静かで――怖かった。


 転校してきて初めてのバイト。慣れない接客、知らない人たち。頑張ったつもりだけど、正直疲れた。


 スマホの地図アプリを見ながら、慣れない帰り道を歩いていたそのときだった。


 「ねぇ、そこの子。バイト帰り?」


 道の反対側から、男の人の声がした。


 チラッと横目で見ると、数人の若い男たち。


 派手な服装、軽いノリ。……あきらかに関わっちゃいけない人たちだ。
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