キミの隣は俺の場所
碓氷くんの後ろを、小走りでついていく。


 彼は何も言わずに、淡々と校内を歩く。案内というよりは、ただ移動してるだけみたいな感じ。


 だけど、その背中は迷いなくて、誰とも目を合わせず、どこにも属していないような――そんな印象だった。


 「ここが図書室。休み時間とか昼休みに開いてる」


 「……うん」


 「次、体育館」


 「……うん」


 私は必死でついていくけど、会話らしい会話にはならない。
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