キミの隣は俺の場所
声が震えた。


 知らない街。夜。助けを呼ぶ声も、届かない。


 最悪だ――そう思ったときだった。


 「……離せよ。三秒以内に」


 低くて冷たい声が、背後から聞こえた。


 私の前に現れたのは、一人の男の子。


 制服の上から黒いジャケット。鋭い目。無表情。



 ただそこに立っているだけで、空気が変わる。
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