年上彼女と年下俺様
そんな簡単な話しじゃないよ…。



「帰る…。」

「そう。じゃあね?」

「あの…。ありがと…。」

「別にキスしただけ~。じゃあまたカフェでね?」



えっ!?



気付いたんだ…。



あたしに背を向ける響に頭を下げてブースを出た。



家に帰るまでの足取りが重い…。



でもちゃんと話さなきゃ…。



アパートの前まで行くと電気がついてた。



カギも空いてる…。



「里佳!!」

「ただいま…。」



拓海はあたしを抱きしめた。



でも気付いちゃったよ…。



あの女の香水の匂いがする…。



「ちゃんと切るから…。」

「赤ちゃんは…。」

「…………。」

「もうイイよ…。もうあっちに行って?さっきまで一緒だったんでしょ?」

「おろしてほしいって…。言ってきた…。」

「ダメ…。ダメだよ拓海…。」

「でも俺は里佳しか好きじゃねぇんだよ…。」



こんな風に言われたのは初めてかもしれない…。



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