推しが隣に引っ越してきまして 〜月の裏がわ〜
飲み始めてから1時間くらい経った。
数杯飲んで、私も少し酔っ払ってきた。ふわふわして心地よい。

「凛ちゃんお酒強いんやなぁ」
亮ちゃんが私を見る。

「この前2人で眞鍋潰したもんねー?」
佑月くんが口元にグラスを当てながら笑う。

「え、そうなん?どんな飲み会したん怖っ」

「眞鍋ベロンベロンになって、また眞鍋が怪我したときの話し出して」と、佑月くん。
「あいつ酔うといつもその話するよなあ」

「『僕、佑月くんには世界で一番幸せになってほしいんですよう〜』って泣いてました」
私が言うと亮ちゃんがぷは、って笑う。
「いつもそうやねん。眞鍋、佑月のこと大好きやんな」


話題は再び恋バナへ。


「なあ、今まで佑月がどんな人を好きになってきたのか気にならへん?」
亮ちゃんが私を見る。

「はあ?」
佑月くんが焼き鳥をガブって食べる。
「嫌だわお前と恋バナなんか」

「俺はめっちゃ気になる!」亮ちゃんが私を見る。「ね!」
うん、って頷く。気になる気になる。
「どんな人を好きになったか〜?」
佑月くんがうーんって考える。

「頭いいコ」
「あ〜佑月馬鹿な女の子嫌いやもんな」
「あと、寂しがり屋な子」
「うわぁ〜」

「けど、タイプってタイプはないなぁ。」
「わかる!」
亮ちゃんが頷く。
「好きになった子がタイプ!」

「うーん、まあそうそう。」
佑月くんの相槌がだんだん適当になってくる。

「恋って言うのは頭でするもんとちゃうねん。」
亮ちゃんがテーブルの上にグイっと身を乗り出す。

「恋って言うのは、するもんちゃうねん、落ちるもんやねん。」

「だからなんやねん」

佑月くんがわざと亮ちゃんの口調を真似をする。テーブルの上にせり出す亮ちゃんの額をぐいぐいと押し戻す。


「凛ちゃん彼氏おんの?」
亮ちゃんが私に聞く。

「いません」
「そうなんや、意外。なんか凛ちゃんってめっちゃきちんとしてるよな、爪とか綺麗にしてるし」

「なにお前、凛ちゃん口説いてんのか」
佑月くんが焼き鳥に食らいつきながら笑う。
「嫌だったら嫌って言っていいからね」
佑月くんが私に言って笑う。
「おいおっさん扱いすなよ」
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