推しが隣に引っ越してきまして 〜月の裏がわ〜


佑月くん——颯が、蘭を愛しそうな目で見る。
ドキッとしてしまう。
横にいる佑月くんをチラッと見る。佑月くんは真っ直ぐテレビを見ている。


颯が、蘭を見つめ、そのまま顔を近づけてキスを……。


「ワー!」
リモコンを引っ掴んでチャンネルを変える。
「えっ、なんで!?いいところだったのに!」佑月くんが私を見る。
「いや、なんか、本人隣にいるのに見るのが恥ずかしくて。」
ぽかん、って顔をする佑月くん。
それから、ズリ……って私に近づいてくる。
「……え……。」
私がもたれているソファの背もたれに手をついて、顔を近づけてくる。今目の前にいるのは、颯……?いや、佑月くん……?


ガチャ、って玄関のドアを開く音と「ただいまー!」亮ちゃんの声。


佑月くんがゆっくり離れて、座り直す。
リビングのドアが開く。
「買うてきたでー」
亮ちゃんがコンビニの袋を掲げる。
「おかえり〜。ありがとー。」
佑月くんは、机の上にあったスルメをかじっている。


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