推しが隣に引っ越してきまして 〜月の裏がわ〜
今度控えたライブの事前の打ち合わせ。立ち位置が配られる。俺の立ち位置は、センターだった。
とうとう選抜組を追い抜いてしまった。吐き気がした。手に汗がにじむ。握った紙が、よれた。
もう、嫌だ。俺は、もう、ここにはいたくない。
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練習は地獄だった。みんな俺を空気のように扱う。
そんな中、休憩中、俺の隣に座ってきたひとがいた。
それが佑月さんだった。
「一緒に食お~。」
佑月さんの手には、差し入れの弁当。
「ハンバーグ弁当か、タコライス、どっちが良い?」
佑月さんは人懐っこそうな笑顔で俺に笑いかけた。