推しが隣に引っ越してきまして 〜月の裏がわ〜
眞鍋回想
◇◇◇
ファンのみんなのうれしそうな顔を見るのが好きだった。
ステージで踊るのが、心の底から好きだった。
アイドルは、俺にとって天職だった。
いつか、どこかで聞いたことがある。
人は誰しも、生まれた瞬間にひとつ天職を与えられるのだと。
だけど、それに出会えるかどうかはわからない。
人生の中で、それを見つけられる人もいれば、見つけられないまま終える人もいる。
俺は、出会えた。
俺にとって間違いなくそれは、アイドルだった。