推しが隣に引っ越してきまして 〜月の裏がわ〜


仕事からの帰り道。
20:00。残業していたら、いつもより少し遅くなっちゃった。
ひと気の少ない、公園の前の道を歩く。マンションは、もう目の前だ。


前から歩いてくる男の人に気づく。体がこわばる。


この人、私のこと見てる…?よね。
怖、怖いんですけど。


周りを見渡しても、この人と私以外、誰もいない。
私が右に動くと、その人も右に動く。私が左に動くとその人も左に動いた。
怖くて、叫びそうになるのを抑える。
そうだ、電話、電話しよう。でも誰に?
咄嗟に思い出した、名刺。真鍋から貰った名刺、鞄から取り出して、書いてある番号に電話をかける。お願い、出て……!!!


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