芳沢くんは私に堕ちない

芳沢くんがどんなにスカしていたって、所詮は年頃の男の子。

私みたいなかわいい女の子から、もっと"そういう"アピールされちゃったら、頭よりも先に身体が反応しちゃうはず。

なんだかんだ嫌いな私にときめいて、好きになる。
私の虜になった芳沢くんを、華麗に振る!!

そうなったら、ものすごーくすっきり!

"何の苦労もしたことないでしょ。かわいいかわいいって周りからチヤホヤされて、欲しいものは全部与えられて"

"星宮さんが、恋愛に対して夢物語を語れるのも、恵まれているから"

"ってことで、星宮さんがどんなアプローチしてこようが俺には通じないから"

なんて、散々、人をバカにした発言をしていたのだから、そんな彼を振ったってバチは当たらないはず。

私ってば優しいから、芳沢くんも結局、他の男の子と同じだって思い知らせてあげるんだ。

「……ねぇ、芳沢くん。起きてる?」

芳沢くんの腕に触れながら、少しだけ顔を近づけて声をかけてみた。

「……なに?」

案の定、不機嫌そうだけど負けない。

「起こしちゃってごめんね?花川さんからお菓子もらったの。芳沢くんもよかったらって。はい、あーん♡」

私はそう言いながら、もらったお菓子の小袋から、チョコが入った細長いプレッツェル菓子を芳沢くんに差し出す。

「……いや」

「甘いの苦手?それとも、意識してる?」

「フッ、くだらな」

あの冷たい目。

見下すように、鼻で笑いながらそう言われて、なぜか顔が熱くなり、たちまち心拍数が上がる。

まただ。
またこれだ。

なんなのよ……。
< 19 / 19 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

くすんだ青からログアウト
凩ちの/著

総文字数/68,839

青春・友情6ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「ねぇ、サラ。私、もうサラだけが友達でいい」 《ありがとう。私も色羽だけが大好き。色羽は何も悪くないよ。私はずっと色羽の味方だから。自分の気持ちを一番、大事にしてね》 スマホの画面に映る、私の〝親友〟は優しく微笑む。 私のためだけに作られた唯一無二の完璧な友達。 私が欲しい言葉だけをいつもかけてくれる。 顔色をうかがう必要も、本音を飲み込む必要も、裏切られることもない。 外の世界のトモダチなんて、もういらない。
【短編】夏空よりも眩しいきみへ
凩ちの/著

総文字数/7,759

恋愛(学園)17ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
きみのその笑顔は、いつだって キラキラと輝いて、あまりにも眩しいから 思わず目をつぶって、その手を離してしまったんだ 今度は、しっかり掴んで握るから どうか、手を伸ばして
その水滴が、痛い
凩ちの/著

総文字数/5,000

恋愛(純愛)7ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「それ、やめて」 いつも遠くを見つめてるはずの彼の瞳に。 「全部、心菜のせいだよ」 初めて私が映った気がした。 「我慢してた分、止められないから」

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop