イケメン社長からの溺愛が止まらない
「……乃亜……」
私の小さな声を聞いたのか、その人がビクビクとした様子を見せながら、顔を覗かせてきた。
如月乃亜。
私の1つ下の妹。
妹といっても血の繋がりはなく、お父さんの再婚相手の娘。
ふわふわにセットされている髪に、スラッとした手足。
可愛い顔をしていて、みんなから『お人形さんみたい』とよく言われている。
私とは違って、人懐っこくて、明るくて……。
乃亜が入学してから、まだ2カ月しか経っていないけど、彼女は既に学校のマドンナ的存在だった。
「……お姉ちゃん、ごめんなさい……。言うなって言われてたのに……。でも、もう我慢の限界だったの……」
今にも泣き出しそうな声色に、表情。
その姿を見て、みんなが乃亜を守るように肩に手を置いたり、優しく声をかけてあげたり……。
そして、みんなが私を鋭く睨みつけてくる。
結局その後、私に弁解の余地はなく、みんなから散々言われたい放題だった。
乃亜は私にされたことを泣きそうになりながら話していた。
だけど私は知ってる。
その後ろで、乃亜が口元を緩めて笑っているのを……。