イケメン社長からの溺愛が止まらない
『帰ります』と言ったものの、もちろん帰る場所なんてなくて……。
マンションから出た私は、駅のホームのベンチに1人座っていた。
スマホを取り出して時間を見ると、今は7時を過ぎた頃。
学校に行く生徒や会社に行く人たちで、駅はラッシュをむかえていた。
そんななかでポツンと座っている私。
もう何個の電車を見送っただろう……。
制服姿だったら、不審な目で見られたかもしれないけど、幸いなことに今の私は、外に出ても全く浮かないジャージ姿。
助かったという気持ちと、もう返すことが出来ないという申し訳ない気持ちが湧いてくる。
ある程度の人が駅のホームから消え、電車の来る音を聞いて、私は立ち上がった。
有り金をはたいて、行けるところまでの駅のチケットを買った。
……片道切符……。
そこに書かれた駅名を一瞥して、私は電車に乗り込んだ……。