私は… 〜私を救ってくれた人〜
私ははっと目を覚ました。小さい頃見慣れた病室の天井。

そっか、私倒れたんだ。誰かが救急車呼んでくれたのかな。

「柚月ちゃん、起きた?」

主治医の本田先生。私はゆっくり起き上がった。

「柚月ちゃん、病状説明していい?」

本田先生の優しいところは、こうやって確認してくれるところ。

私はコクッと頷いた。

「柚月ちゃんは、栄養失調と貧血で倒れてた。」

そっか、最近食べてないから、当たり前か。

「で、身長153cmに対して、体重が30kgもなかった。」

うわお…菜月が37kgとか言っていたな…

「心当たりある?今は点滴で栄養入れてるよ。」

ありまくる。胃がキリキリしてたし、血も吐いた。

ご飯も最近全く食べてないし、お水もほとんど飲まない。

「胃がキリキリしてて、今日血を吐きました…」

胃が痛くて、ご飯を食べる気になれなかったのだ。

「胃潰瘍かもね。胃カメラするか。明日入れとくから。」

本田先生は病室を出て行った。入れ替わりに看護師さんが入ってくる。

「夜宮さんの担当看護師になります、安藤紗奈です。よろしくね。」

「夜宮柚月です。よろしくお願いします。」

安藤さんは華奢で、可愛いボブだった。目もぱっちりしてる。

「柚月ちゃんって呼んでいい?私も紗奈でいいから。敬語もいらないよ。」

「紗奈ちゃん。わかった。今何時?」

私は今のところ一番気になる質問をする。

「今10時だよ。私は今日夜勤。お兄さんに連絡はいってるよ。」

私は安心して、眠りについた。
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