幼なじみの隠れた執着愛〜再会した彼は策士なCEOでした〜


 その人物が店内に現れると、周囲が彼女に注目し出した。
 ヒソヒソと話し合う声も聞こえる。

 そんな声と視線に気づいているのかいないのか、彼女は目もくれずに真っ直ぐ私の元へと向かってきた。


「新作フラペ飲みにきちゃった〜」
「お姉ちゃん、今用意するね」
「よろしく〜」


 彼女は私の姉、紗凪(さな)
 sana.という名前で活動するインフルエンサーである。


「あの、sana.さんですよね? いつもインステみてます!」
「そうです〜。わ、嬉しいなぁ」


 SNSの総フォロワー数は十万人を超え、企業ともコラボする程の人気インフルエンサーだ。
 今日も姉の周りには人が集まり、その中心で姉は誰よりも輝いている。

 綺麗にウェーブがかったロングヘア、ぱっちりとした大きな目、長い手足。
 子どもの頃から誰もが目を奪われる程の美人だった。


「お待たせいたしました、ティラミスフラペチーノです」
「ありがと〜」


 フラペチーノを受け取ると、お姉ちゃんはすぐに写真を何枚も撮り始める。
 フラペチーノ単体だけで撮ったり、自分も含めて撮ったり。


「じゃ、後でよろしくね」
「……うん」
「頑張ってね〜」


 お姉ちゃんはヒラヒラと手を振り、颯爽と帰っていった。
 その可憐な後ろ姿を店員だけでなく、その場にいたお客様たちも見守っている。


「生で見るsana.さん、めちゃくちゃ美人だったね!」
「うん、写真で見るより綺麗だった」


 そんな声が私の耳に届く。


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