幼なじみの隠れた執着愛〜再会した彼は策士なCEOでした〜
ワイングラスを合わせるカチャン、という音の後に白ワインを一口含む。
芳醇なワインの香りが口いっぱいに広がった。
「美味しい!」
「望凪ちゃんはお酒はよく飲むの?」
「たまにかな。美鶴くんは?」
「僕は全然得意じゃなくて、付き合いで一杯程度なら」
「そうだったの? 付き合わせちゃってごめんね」
「全然! むしろ望凪ちゃんとは飲んでみたかったから」
ふわ、とした柔らかい笑顔に思わずキュンとする。
顔が赤くなる前に本題を切り出した。
「それよりも! 美鶴くんに聞きたいこといっぱいあるんだけど」
「そうだよね。何から話そうか」
「苗字は鏑木に変わったの?」
「うん、高校生の時に母が再婚したんだ」
美鶴くんが引っ越したのはご両親が離婚したからだったことを思い出した。
「弟と妹もできて楽しくやってるよ」
「へえ! いいね」
「妹は友達とよく学校近くのオウルカフェで喋ってるって言ってるよ」
「あ、そうだよ! それ!」
私がビシッと指差すと美鶴くんはきょとんと首を傾げる。
「美鶴くん、私のこと気づいてたよね? どうしてずっと黙ってたの?」
「あ、それは……」
少ししどろもどろになりながら、美鶴くんは申し訳なさそうに眉を下げる。
「僕のこと、覚えているかわからなかったから」
「覚えてるよ!」
「でも望凪ちゃんは全然気づいてなかったし」
「そりゃわからないよ!」