幼なじみの隠れた執着愛〜再会した彼は策士なCEOでした〜
だからあの日以来二人きりで会ってはいない。
私も編集者と話し合い、本格的に書籍を刊行する方向で今原稿しているところだ。
自分でも驚くほど筆が乗っており、この勢いのまま書き進めたいと思っている。
……だからといって、美鶴くんの告白を先延ばしにしていいわけではないんだけどね。
「ぶっちゃけ好きなんですよね?」
「……」
「無言は肯定と取りますよ」
「わからないのっ!」
私はグイーッと生ビールを豪快に飲んだ。
「恥ずかしいけど、ずっと恋愛してなかったから……」
そう、実は何年も恋愛なんてしていなくてかなりご無沙汰だった。
最後に彼氏がいたのは何年前だろう。
恋愛がしたくないわけではなかったけれど、副店長に選ばれた時は慣れるまでの間ずっとバタバタしていたし、お姉ちゃんのゴーストライターをしている時は彼氏ができても言えない秘密があるのかと思うと――それだけで億劫になり前に進めなかった。
「友達に誘われて合コンに行ったこともあったけど、なんか違うなぁって。恋愛ってどうやってするのかわかんなくなっちゃって」
「なるほどですね〜」
ひよちゃんは生ビールを飲みながら、うーんと唸る。
それからひよちゃんは思いついたように言った。
「なら、デートしてみたらいいじゃないですか!」
「デート?」