幼なじみの隠れた執着愛〜再会した彼は策士なCEOでした〜
私が聞き返すと、ひよちゃんは楽しそうに頷く。
「そうです! デートしてみたら付き合ってる想像がつくかもしれませんよ?」
「……でも、美鶴くん忙しそうだし」
「忙しいのはお互いさま! ほら、今ここで誘ってくださいよ!」
「な、なんて言えば……っ。第一デートってどこに行けばいいの!?」
彼氏がご無沙汰なんだからデートもご無沙汰だ。
思えば美鶴くんと二人きりで出かけたことなんて今まで一度もない。
いつも私が美鶴くんの部屋を訪ねて、一緒に本を読んだり小説の話をしてばかりいたから。
その美鶴くんとデートなんて想像がつかない。
「初デートの定番って言ったら映画とかじゃないですか?」
「あっ、映画! そう言えば観たいやつあったんだ」
原作を読んですごく面白かった作品が映画化されることになり、ずっと気になっていた。
「いいじゃないですか! 誘っちゃいましょう!」
「わ、わかった」
ひよちゃんに言われるがままスマホを取り出す。
画面を見て美鶴くんからのメッセージ通知が表示されており、思わずドキッとする。
《望凪ちゃん、今度の土曜日空いてますか? 良かったら映画を観に行きませんか?》
あまりにもタイムリーなメッセージに心を読まれたのかと思い、メッセージを二度見してしまった。
「美鶴くんが、映画観に行こうって……」
「きゃ〜〜! 流石は幼なじみ! 通じ合ってるんですね〜」